医院ブログ 月: 2020年12月

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光学印象(口腔内スキャナー)について|矯正治療における画期的なデジタルテクノロジー|京都・矯正歯科

2020年12月29日

こんにちは、院長の井上です。
近年のデジタルテクノロジーの発展は、私たちの生活をより便利で快適なものにしてくれています。(もちろん、功罪はありますが。。。)
デジタル機器に関する報道は、新聞・TV・雑誌で毎日のように取り上げられ、携帯電話やスマートフォンはもとより、AI(人工知能)、5G(第5世代移動通信システム)、IoT(モノのインターネット)、オートパイロット(車の自動運転)など、一昔前では空想上のものとしか思えなかったことが、日常生活においてキーワードとして扱われるまでになりました。
歯科医療の領域では、電子カルテの運用に始まり、デジタルカメラやデジタルレントゲン機器の普及、工業用CAD/CAM技術を応用した歯科技工、さらには3Dの光スキャンによる歯型採りといった形で、診療室での治療の場にまで入り込んで来ています。とりわけこの光スキャン、口腔内スキャナーを用いた光学印象とも称され、既に導入されている歯科医院もたくさん存在します。
今回は、遅ればせながら、この私も口腔内スキャナーに触れる機会がありましたので、本稿においてその概要と所感を述べたいと思います。

今回ご紹介するシステムは、

米国アラインテクノロジー社製の「iTero」です。

以下に示すのは、販売元が説明している最新バージョンの概要です。

iTero

「iTeroエレメント5Dは、口腔内スキャナーとして初めて近赤外光画像(以下、NIRI)技術を搭載し、歯牙の内部構造をリアルタイムでスキャンできるハイブリッドな性能をもった画期的な口腔内スキャナーです。NIRI技術によって、電離放射線を暴露することなく、歯牙構造を可視化し、隣接面のう蝕の早期発見を補助します。また、iTero エレメント5Dには、NIRIや口腔内カメラの他にも先進的な視覚化機能として、タイム・ラプス 、アウトカム・シミュレーター、プログレス・アセスメントも標準装備されています。

【タイム・ラプス】

患者様が気づきにくい口腔内の変化を強調して表示することにより、自分の歯がどのように移動していくかを視覚的に確認することができます。

【アウトカム・シミュレーター】

アライナー矯正治療によって期待できる治療結果を患者様に示します。患者様はアライナー矯正治療後に自分の歯がどうなっているのかをビジュアルで確認できます。

【プログレス・アセスメント】

治療計画に対して、実際の矯正治療の進捗状況を患者様に表示し、診療時に期待できる成果について話し合うことができます。

iTero エレメント5Dが持つ機能を最大限に活用することにより、患者様にさらに多くの視覚情報を提供することができ、画像を見ながらの患者様とのコミュニケーションは、治療への理解や他の治療のきっかけとすることができます。」

要するにこれが、新しい「歯型採り(印象採得)」です。従来(現在でも多くの場合)では、粘土のような材料(印象材)をトレーに盛り付け、それを患者さんのお口の中に押し付けて歯型を採り、そこに歯科用石膏を流し込んで作業(観察)用の模型を製作していました。この模型が様々な歯科治療の基本となる資料になるのですから、それを製作するための印象材や石膏の改良はずっと進められて来ました。しかしながら、このハイテク技術は、そんな地道な努力を吹き飛ばすかの如く、デジタルデータを元に実体をいきなり3Dモデルとして画像に表示してしまうのです。それも光センサーを先端に内蔵したプローベ状の口腔内スキャナーを、患者さんのお口の中でぐるりと周回させるだけの作業で。
実際にデモ機を使わせてもらいましたが、非常に扱いやすかったです。習熟度を問われるような難しい作業はほぼありません。スキャンを進めると、精密な歯列の3Dモデルがモニター上にリアルタイムで表示されていきます。読み取りが十分でない部分については色調を変えて教えてくれ、その部分を再スキャンすることでキレイに補正してくれます。圧倒的に感動しました(笑)。ものすごいテクノロジーです!

光学印象のメリットは・・・

①正確無比な再現性

印象材を用いた方法では、印象材のみならず石膏の変形や経時的寸法変化などがどうしても生じるので、得られる作業用の模型の精度には限界がありました。しかしながら、光学印象では、口腔内の解剖学的形態をデジタルデータ化して直に3Dモデルを構築するので、その精度たるや桁違いに正確なのです。

②安全で比較的快適

印象材を用いた歯の型取りは、患者さんにとって不快なものです。咽たり、誤飲してしまうこともありますが、光学印象ではその心配はありません。また、レントゲン撮影とは異なり、人体に有害な物質に曝されることもありません。

③デジタルソリューション

遠隔地の歯科医師や歯科技工士との情報交換が正確・迅速かつ容易になります。蓄積されたデータはクラウド上にストレージされるので、紛失や破損のリスクが少なく、膨大になれば今後の治療法の開発・発展に大いに貢献してくれるでしょう。また、必要な時に3Dプリンターを介して模型として取り出すことが可能なため、保管庫のような大きなスペースも必要ありません。

いかがでしたか。これは、非常に魅力的なシステムです。価格は、高価な輸入車1台分といったところですが、個人的には、かなりのお買い得品だと言わざるを得ません。ぜひ購入したいなぁ。。。

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