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マルチブラケット矯正|目立たない装置(デーモンクリア/裏側矯正)|京都

2020年08月4日

こんにちは、院長の井上龍治です。

今回は、矯正治療に用いられる代表的な装置である『マルチブラケット装置』(矯正と言えばみなさんがすぐに連想される、あのワイヤーの装置のことです)について簡単に解説いたします。
治療開始を検討されている方への一助となれば幸いです。

 

◆構造と種類

上下の歯列弓の形態と調和、咬み合わせを整える固定式の装置です。最も多くの症例に使用され、ワイヤーと個々の歯に取付けられたブラケットから構成されます。ブラケットがたくさん装着されることからマルチブラケット装置と呼ばれています。
歯とブラケットは歯科用ボンドで接着され、ブラケットに付与されたスロットと呼ばれる溝にワイヤーを通して結紮(けっさく)し、ワイヤーの復元力を利用して歯列弓を整えます。
当院では、目立ちにくい歯冠色のプラスチックブラケットを歯の表側に取付けるクリアタイプの装置の他に、スロットとワイヤーに生ずる摩擦を最小に抑えることで歯がスムーズに動くとされるデーモンクリア、さらに歯の裏側に金属ブラケットを取付けるため外からは見えないリンガルタイプの装置を使用しています。
実はこの装置の原型となるもの、エッジワイズ法といって1920年代にアメリカのE.H.アングルという歯科医師によって開発されたものです。概ね1世紀も昔のことです(笑)
当時は、現在ほど接着技術が発達していませんでしたので、金属のブラケットを溶接した金属バンドを個々の歯に装着し、その外観からフルバンドとも呼ばれていました。患者さんも苦痛だったでしょうし、施術する矯正医もたいへんな苦労をされていたことと想像します。

 

◆用いるワイヤー

マルチブラケット治療に用いられるワイヤーは、硬さ・復元性により2種類に大別されます。
1つはニッケルやチタンなどを主元素とする合金製で形状記憶の性質を持つもの、もう1つはステンレス製で一定の硬さを持つものです。また、断面の形状にも丸型と角型があり、太さもそれぞれに数種類あります。これらを治療の段階に応じて使い分けます。
当院では、クリアタイプ(デーモンクリア含む)の装置に組合せるものとして、審美性に長けたホワイトワイヤーを多用しています。このホワイトワイヤーとは、金属ワイヤーに白いコーティングを施したものです。コーティングが少し剥がれることはありますが交換可能です。

 

◆適応症

ほとんどすべての歯列不正に適用されますが、装置の種類によって長所短所があります。

 

◆クリアタイプ(デーモンクリア)

現在もっともポピュラーな装置で、当院でもお勧めしています。見た目は、後述のリンガルタイプにはやや劣るものの、ホワイトワイヤーを併用することでかなりスマートなものに改善されています。
もちろん症例にもよりますが、動的治療期間も3年前後に収まる場合が多く、とくにデーモンクリアではさらに短期間で済むこともあります。また、こまめにブラッシングすることでブラケットの変色も抑えることが出来ます。

 

◆リンガルタイプ

外見からはほとんど見えないのがこの装置最大のウリです。しかしながら、一般的には治療期間が長くなりがちです。裏側から力をかけて歯を動かすこと自体に力学的に不利な要素が多く、このことが治療を技術的に難しくしています。装置の装着や処置にも労力と時間を要するので、治療費はどうしても高額になります。
前歯の咬み合わせが極端に深い症例や、重症度の高い歯列不正には適用困難な場合があります。また、ブラッシングが難しいことも難点に挙げられます。これらの短所を少しでも補うため、下の歯列には歯の表側にクリアブラケットを取付けるハーフリンガルという治療法(コンビネーションタイプ)を採ることがあります。

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