マウスピース矯正の種類をご紹介|インビザライン・クリアライナー|京都・矯正歯科

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マウスピース矯正の種類をご紹介|インビザライン・クリアライナー|京都・矯正歯科

2020年09月2日

こんにちは、院長の井上です。

今回は、近年注目を集めているマウスピース矯正について言及したいと思います。
このマウスピース矯正、従来のブラケットとワイヤーを装着する所謂マルチブラケット治療とは異なり、患者さんご自身での着脱が可能なマウスピースを使用して歯列を整えるもので、アライナー矯正とも呼ばれています。
その情勢を見ますと、日本では、今のところアメリカのアライン・テクノロジー社のインビザラインと和田精密歯研のクリアアライナーに大別され、その他の数社が独自の呼称と「売り」を掲げて追随しているようです。以下にインビザラインとクリアアライナーを中心にアライナー矯正事情の概要を調べてみます。

 

Ⅰ.インビザライン

アメリカのアライン・テクノロジー社製のマウスピース型のカスタムメイド矯正装置です。最新のデジダル技術と多くの臨床データや特許を有する工場で、正確かつ再現性の高いマウスピースを製造します。1999年に「インビザライン・システム」から提供を開始し、世界100ヶ国以上の国々で700万人以上の患者さんがインビザラインで治療しているとされています(2019年6月現在)。日本では2006年より正式導入されました。

【治療方法】
①矯正歯科にて顔と歯の写真撮影、レントゲン撮影、デジタルスキャンや歯型を採り、
これらの資料・データをアライン・テクノロジー社へ送る。
②送られてきた資料・データを元に社独自の3D治療計画システムで治療計画を立て、
アライナー(マウスピース)を約20〜40を製造し、これらを矯正歯科へ送付。
③送付されたアライナーの装着を患者に指示する。歯の表面に歯と同色のノッチ
(小さな突起状の付加物)を付与したり、歯の幅を少し削ることもある。
④4~6週で歯の移動を確認しながらマウスピース装着を進める。
⑤治療終了。最後のマウスピースをリテーナー(保定装置)として使用することもある。

【適応症】
・非抜歯で治療可能な症例。
・抜歯しても歯根の移動が少ない症例。
・マルチブラケット治療との併用が可能な症例。
・1日20時間以上マウスピースを装着できる方。

【適応できない症例】
・上下の顎の位置が大きく前後左右にずれている症例。
・歯の不揃いがとても強い症例。

 

Ⅱ.クリアライナー(アソアライナー)

東京に本社のあるアソインターナショナル(2010年10月からは和田精密歯研)が製造するアライナー矯正装置です。インビザラインと同様の透明のマウスピース形状です。

【治療方法】
①矯正歯科にて顔と歯の写真撮影、レントゲン撮影、デジタルスキャンや歯型を採り、
 これらの資料・データを技工所へ送る。
②技工所で「ソフト」「ミディアム」「ハード」の3種類のマウスピースを製造し、矯正歯科へ送付。
③7〜10日間で順番に「ソフト」「ミディアム」「ハード」の装置を変えて装着する(1ステップ)。
④ステップ毎に歯型を取って模型を技工所へ送り、新しいマウスピースを製造。 
 この工程を何度も繰り返し、歯の移動を確認しながら治療を進める。
⑤治療終了。リテーナーにはハードタイプのアライナーを使用する。

【適応症】
・基本的にはインビザラインと同じ。
・1日17時間以上マウスピースを装着できる方。

 

Ⅲ.両者の相違点

クリアアライナーでは、石膏模型上の歯を手作業で動かして製作されたセットアップ模型を元にアライナーを製作するのに対し、インビザラインでは、3Dシミュレーションソフトによって正確な歯の動きが設定され、その結果がCAD/CAM(コンピューターを利用し、設計・生産を一貫して行う技法)を用いた光造形技術によって、アライナー上に正確に再現されます。
アライナーの精密性ではインビザラインに優位性があり、このことが部分矯正の症例だけでなく、臼歯などを全体的に動かす全体矯正の症例にもある程度適用可能にしていると考えられます。
クリアライナーでは、前歯だけを動かす部分矯正に限定して使用されることが多いようで、厚さの異なるアライナーを使用するのが特徴的です。
両者ともアライナーの外観は透明で、厚さもさほど変わらないようですが、インビザラインでは歯のみを覆うのに対し、クリアライナーでは歯と歯肉の一部を覆う形態をしています。

 

Ⅳ.その他のアライナー矯正

*ケンライン
・フルデジタル診断で設計するマウスピース矯正システム。
・インビザラインに似ているが、ケン・デンタリックスという日本企業が提供する純日本製のシステム。
・インビザラインとの違いはアライナーの形態(歯茎までを覆うタイプ)。

 

*スターアライン
・部分矯正向きとされる。
・元々はドイツのショイデンタル社が開発したマウスピース矯正技術で、インビザラインによく似ているが通院頻度が少ない(1年以内に治療が終わりそうな軽微な症例に限定している模様)。
・アライナーの形態は、歯茎まで覆うタイプ(歯槽骨にもしっかり力が加えていけそうとある)。

 

*SmileTRU(スマイルトゥルー)
・レベル1(前歯部のみの移動で治療可能な症例)とレベル2(小臼歯までの移動が必要な症例)のみを治療対象としている。
・3Dデータを使って「診断・設計は米国、製作は日本」を掲げる同社サービスには、三井物産が歯科技工所と組んで30%を出資。大手商社が参入を果たしたことが話題に。

 

*クリアコレクト
・2006年に歯科医師のWillis Pumphreyと歯科技工士のPaul Dinhによって開発され、その後改善を重ねて米国シェア№2へ成長。
・1日22時間のアライナー着用。アタッチメントや専用の治療計画ソフトもあり。
・スキャナは3shape社のTRIOS3でSTLと呼ばれる立体画像データの保存形式に対応しているスキャナであれば対応可(インビザラインでは現在は自社のスキャナi Teroのみ)。
・アライナーの形態は、歯茎に2mmほどかかるくらいをカバーしたもの(インビザラインよりやや大きい)。
・治療の全体的システムとしては、アライナー配送方法がステップ毎という点を除いてはインビザラインと同じ。

 

*シュアスマイル
・歯科医療製品のデンツプライ・シロナ社によるアライナー矯正。システム概要はインビザラインやクリアコレクトと似ている。

 

*インシグニア
・歯科矯正材料のオームコ社によるアライナー矯正。システム概要はインビザラインやクリアコレクトと似ている。

 

*オペラグラス
・前歯を主体とする軽度の歯列不正や矯正後の後戻りの治療などに適している。

 

*キレイライン
・部分矯正に徹している。
・「患者さんの満足するところまで」、「安価な治療費」のアピールが特徴的。

 

*スマイルダイレクト
・アメリカの新興企業スマイルダイレクトクラブが提供するアライナー矯正。
・自宅で歯列矯正できるキットを直接患者へ販売する。
・2019年9月ナスダック市場へ上場。歯科医師側の猛反発を受けながらも急成長している。
・アメリカ矯正歯科学会は、歯科医師の診断とモニタリングがないこの治療法を危険視し、同社サービスを利用しないよう呼びかけている。

 
 

いかがでしょうか。ざっと調べただけでもこれだけの種類のアライナー矯正を見つけることができました。まだ他にもいくつか存在するようで、とても興味深いですね。
私たち治療をする側としましては、この新しい治療法を積極的に取り入れながらも、その特性と限界を理解し、予知性の高いものにする工夫と努力が必要になると考えております。

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