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歯科医学の歴史について|歯列矯正、人工歯、診療機器の進歩と歴史|京都・矯正歯科

2020年10月28日

こんにちは、院長の井上です。
先日、自宅の本棚を整理していると面白い書籍が出て来ました。タイトルが「DENTISTRY・AN IRRUSTRATED HISTORY」という歯科の史料をたくさん掲載した本で、かつてどこかの小さな書店で見つけたものです。買ったことすら記憶から消えていましたので、しばらく整理の手を止めて読み耽ることになりました(笑)。内容を一部お見せしたいと思います。

 

この写真は、紀元前9世紀のマヤ人の古人骨だそうです。歯面に装飾としてヒスイやトルコ石を貼り付ける文化があったみたいです。石をはめ込む窩洞を形成する様子も示されていました。まるで火を起こしているみたいです(笑)。
摩擦熱で歯の神経が死んでしまいそうですね。この時代では、歯の治療や健康維持の概念はなかったとのことです、さすがに。

 

歯列矯正を示す資料です。下図は、歯の不揃いを修正する添え木状のスプリントです。1957年のもので、ワイヤーで絞めて歯を動かしたのでしょうね。なんとスペース確保のための小臼歯抜歯も行われたようです。

 

日本のものもあります。これは鎌倉時代の歯科医師が上顎の腫瘍の診査をしているところです。
このあとこの患者さんはどうなったのだろう。

 

徳川時代の木製のお歯黒人工歯です。なんと現代歯科でいうポストクラウンという形態に酷似しています。驚きです!

 

続いて1900年頃の診療チェアの写真です。思わず見入ってしまいました。とても重厚感があり、インテリアとして見れば現代のものよりいい?そんなことはありませんね(笑)。

 

最後は1905年当時のボルチモアのメリーランド大学病院の写真です。説明文によりますと、学生はフットペダルを踏んで切削器具を駆動しているそうです。写真右下の咬合器を手に持ったメガネの先生が指導医です。いつの時代でも指導医の先生は恐く見えます(笑)。

 

いかがでしたか?なかなか興味深い資料でしょう?他にもいろいろ掲載されていて、ずっと読んでいるうちに、本棚整理のことなどすっかり忘れてしまう私でした。
ではまた。

マウスピース矯正の種類をご紹介|インビザライン・クリアライナー|京都・矯正歯科

2020年09月2日

こんにちは、院長の井上です。

今回は、近年注目を集めているマウスピース矯正について言及したいと思います。
このマウスピース矯正、従来のブラケットとワイヤーを装着する所謂マルチブラケット治療とは異なり、患者さんご自身での着脱が可能なマウスピースを使用して歯列を整えるもので、アライナー矯正とも呼ばれています。
その情勢を見ますと、日本では、今のところアメリカのアライン・テクノロジー社のインビザラインと和田精密歯研のクリアアライナーに大別され、その他の数社が独自の呼称と「売り」を掲げて追随しているようです。以下にインビザラインとクリアアライナーを中心にアライナー矯正事情の概要を調べてみます。

 

Ⅰ.インビザライン

アメリカのアライン・テクノロジー社製のマウスピース型のカスタムメイド矯正装置です。最新のデジダル技術と多くの臨床データや特許を有する工場で、正確かつ再現性の高いマウスピースを製造します。1999年に「インビザライン・システム」から提供を開始し、世界100ヶ国以上の国々で700万人以上の患者さんがインビザラインで治療しているとされています(2019年6月現在)。日本では2006年より正式導入されました。

【治療方法】
①矯正歯科にて顔と歯の写真撮影、レントゲン撮影、デジタルスキャンや歯型を採り、
これらの資料・データをアライン・テクノロジー社へ送る。
②送られてきた資料・データを元に社独自の3D治療計画システムで治療計画を立て、
アライナー(マウスピース)を約20〜40を製造し、これらを矯正歯科へ送付。
③送付されたアライナーの装着を患者に指示する。歯の表面に歯と同色のノッチ
(小さな突起状の付加物)を付与したり、歯の幅を少し削ることもある。
④4~6週で歯の移動を確認しながらマウスピース装着を進める。
⑤治療終了。最後のマウスピースをリテーナー(保定装置)として使用することもある。

【適応症】
・非抜歯で治療可能な症例。
・抜歯しても歯根の移動が少ない症例。
・マルチブラケット治療との併用が可能な症例。
・1日20時間以上マウスピースを装着できる方。

【適応できない症例】
・上下の顎の位置が大きく前後左右にずれている症例。
・歯の不揃いがとても強い症例。

 

Ⅱ.クリアライナー(アソアライナー)

東京に本社のあるアソインターナショナル(2010年10月からは和田精密歯研)が製造するアライナー矯正装置です。インビザラインと同様の透明のマウスピース形状です。

【治療方法】
①矯正歯科にて顔と歯の写真撮影、レントゲン撮影、デジタルスキャンや歯型を採り、
 これらの資料・データを技工所へ送る。
②技工所で「ソフト」「ミディアム」「ハード」の3種類のマウスピースを製造し、矯正歯科へ送付。
③7〜10日間で順番に「ソフト」「ミディアム」「ハード」の装置を変えて装着する(1ステップ)。
④ステップ毎に歯型を取って模型を技工所へ送り、新しいマウスピースを製造。 
 この工程を何度も繰り返し、歯の移動を確認しながら治療を進める。
⑤治療終了。リテーナーにはハードタイプのアライナーを使用する。

【適応症】
・基本的にはインビザラインと同じ。
・1日17時間以上マウスピースを装着できる方。

 

Ⅲ.両者の相違点

クリアアライナーでは、石膏模型上の歯を手作業で動かして製作されたセットアップ模型を元にアライナーを製作するのに対し、インビザラインでは、3Dシミュレーションソフトによって正確な歯の動きが設定され、その結果がCAD/CAM(コンピューターを利用し、設計・生産を一貫して行う技法)を用いた光造形技術によって、アライナー上に正確に再現されます。
アライナーの精密性ではインビザラインに優位性があり、このことが部分矯正の症例だけでなく、臼歯などを全体的に動かす全体矯正の症例にもある程度適用可能にしていると考えられます。
クリアライナーでは、前歯だけを動かす部分矯正に限定して使用されることが多いようで、厚さの異なるアライナーを使用するのが特徴的です。
両者ともアライナーの外観は透明で、厚さもさほど変わらないようですが、インビザラインでは歯のみを覆うのに対し、クリアライナーでは歯と歯肉の一部を覆う形態をしています。

 

Ⅳ.その他のアライナー矯正

*ケンライン
・フルデジタル診断で設計するマウスピース矯正システム。
・インビザラインに似ているが、ケン・デンタリックスという日本企業が提供する純日本製のシステム。
・インビザラインとの違いはアライナーの形態(歯茎までを覆うタイプ)。

 

*スターアライン
・部分矯正向きとされる。
・元々はドイツのショイデンタル社が開発したマウスピース矯正技術で、インビザラインによく似ているが通院頻度が少ない(1年以内に治療が終わりそうな軽微な症例に限定している模様)。
・アライナーの形態は、歯茎まで覆うタイプ(歯槽骨にもしっかり力が加えていけそうとある)。

 

*SmileTRU(スマイルトゥルー)
・レベル1(前歯部のみの移動で治療可能な症例)とレベル2(小臼歯までの移動が必要な症例)のみを治療対象としている。
・3Dデータを使って「診断・設計は米国、製作は日本」を掲げる同社サービスには、三井物産が歯科技工所と組んで30%を出資。大手商社が参入を果たしたことが話題に。

 

*クリアコレクト
・2006年に歯科医師のWillis Pumphreyと歯科技工士のPaul Dinhによって開発され、その後改善を重ねて米国シェア№2へ成長。
・1日22時間のアライナー着用。アタッチメントや専用の治療計画ソフトもあり。
・スキャナは3shape社のTRIOS3でSTLと呼ばれる立体画像データの保存形式に対応しているスキャナであれば対応可(インビザラインでは現在は自社のスキャナi Teroのみ)。
・アライナーの形態は、歯茎に2mmほどかかるくらいをカバーしたもの(インビザラインよりやや大きい)。
・治療の全体的システムとしては、アライナー配送方法がステップ毎という点を除いてはインビザラインと同じ。

 

*シュアスマイル
・歯科医療製品のデンツプライ・シロナ社によるアライナー矯正。システム概要はインビザラインやクリアコレクトと似ている。

 

*インシグニア
・歯科矯正材料のオームコ社によるアライナー矯正。システム概要はインビザラインやクリアコレクトと似ている。

 

*オペラグラス
・前歯を主体とする軽度の歯列不正や矯正後の後戻りの治療などに適している。

 

*キレイライン
・部分矯正に徹している。
・「患者さんの満足するところまで」、「安価な治療費」のアピールが特徴的。

 

*スマイルダイレクト
・アメリカの新興企業スマイルダイレクトクラブが提供するアライナー矯正。
・自宅で歯列矯正できるキットを直接患者へ販売する。
・2019年9月ナスダック市場へ上場。歯科医師側の猛反発を受けながらも急成長している。
・アメリカ矯正歯科学会は、歯科医師の診断とモニタリングがないこの治療法を危険視し、同社サービスを利用しないよう呼びかけている。

 
 

いかがでしょうか。ざっと調べただけでもこれだけの種類のアライナー矯正を見つけることができました。まだ他にもいくつか存在するようで、とても興味深いですね。
私たち治療をする側としましては、この新しい治療法を積極的に取り入れながらも、その特性と限界を理解し、予知性の高いものにする工夫と努力が必要になると考えております。

マルチブラケット矯正|目立たない装置(デーモンクリア/裏側矯正)|京都

2020年08月4日

こんにちは、院長の井上龍治です。

今回は、矯正治療に用いられる代表的な装置である『マルチブラケット装置』(矯正と言えばみなさんがすぐに連想される、あのワイヤーの装置のことです)について簡単に解説いたします。
治療開始を検討されている方への一助となれば幸いです。

 

◆構造と種類

上下の歯列弓の形態と調和、咬み合わせを整える固定式の装置です。最も多くの症例に使用され、ワイヤーと個々の歯に取付けられたブラケットから構成されます。ブラケットがたくさん装着されることからマルチブラケット装置と呼ばれています。
歯とブラケットは歯科用ボンドで接着され、ブラケットに付与されたスロットと呼ばれる溝にワイヤーを通して結紮(けっさく)し、ワイヤーの復元力を利用して歯列弓を整えます。
当院では、目立ちにくい歯冠色のプラスチックブラケットを歯の表側に取付けるクリアタイプの装置の他に、スロットとワイヤーに生ずる摩擦を最小に抑えることで歯がスムーズに動くとされるデーモンクリア、さらに歯の裏側に金属ブラケットを取付けるため外からは見えないリンガルタイプの装置を使用しています。
実はこの装置の原型となるもの、エッジワイズ法といって1920年代にアメリカのE.H.アングルという歯科医師によって開発されたものです。概ね1世紀も昔のことです(笑)
当時は、現在ほど接着技術が発達していませんでしたので、金属のブラケットを溶接した金属バンドを個々の歯に装着し、その外観からフルバンドとも呼ばれていました。患者さんも苦痛だったでしょうし、施術する矯正医もたいへんな苦労をされていたことと想像します。

 

◆用いるワイヤー

マルチブラケット治療に用いられるワイヤーは、硬さ・復元性により2種類に大別されます。
1つはニッケルやチタンなどを主元素とする合金製で形状記憶の性質を持つもの、もう1つはステンレス製で一定の硬さを持つものです。また、断面の形状にも丸型と角型があり、太さもそれぞれに数種類あります。これらを治療の段階に応じて使い分けます。
当院では、クリアタイプ(デーモンクリア含む)の装置に組合せるものとして、審美性に長けたホワイトワイヤーを多用しています。このホワイトワイヤーとは、金属ワイヤーに白いコーティングを施したものです。コーティングが少し剥がれることはありますが交換可能です。

 

◆適応症

ほとんどすべての歯列不正に適用されますが、装置の種類によって長所短所があります。

 

◆クリアタイプ(デーモンクリア)

現在もっともポピュラーな装置で、当院でもお勧めしています。見た目は、後述のリンガルタイプにはやや劣るものの、ホワイトワイヤーを併用することでかなりスマートなものに改善されています。
もちろん症例にもよりますが、動的治療期間も3年前後に収まる場合が多く、とくにデーモンクリアではさらに短期間で済むこともあります。また、こまめにブラッシングすることでブラケットの変色も抑えることが出来ます。

 

◆リンガルタイプ

外見からはほとんど見えないのがこの装置最大のウリです。しかしながら、一般的には治療期間が長くなりがちです。裏側から力をかけて歯を動かすこと自体に力学的に不利な要素が多く、このことが治療を技術的に難しくしています。装置の装着や処置にも労力と時間を要するので、治療費はどうしても高額になります。
前歯の咬み合わせが極端に深い症例や、重症度の高い歯列不正には適用困難な場合があります。また、ブラッシングが難しいことも難点に挙げられます。これらの短所を少しでも補うため、下の歯列には歯の表側にクリアブラケットを取付けるハーフリンガルという治療法(コンビネーションタイプ)を採ることがあります。

個別相談

治療費「定額制」 12回分割まで無利息

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